積奏バターサンド

2026/02/22 19:00

積奏バターサンド開発の軌跡

積奏の原点は、ひとつのバターサンドから始まりました。
ブランドを立ち上げる以前から、何度も試作を重ね、形にしては見直し、また作り直す。
その繰り返しの中で、ひとつの問いがずっと心に残り続けていました。
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※試作段階のバターサンド

本当に届けたいバターサンドとは何か・・・
ローンチ前のバターサンドは、すでに「美味しい」と言っていただける完成度にはありました。
ラムレーズンの芳醇な香り、コクのあるバタークリーム、香ばしく焼き上げたサブレ。
どれも単体で見れば、十分に魅力を持っていたと思います。
けれど、どこかに小さな違和感があったのです。

それは、食べ終えた後に残る“余韻”でした。

重厚さはある。満足感もある。
しかし、もう一度手を伸ばしたくなる軽やかさが、あと一歩だけ足りない。
私たちが目指したのは、濃厚さではなく調和でした。

バタークリームの空気含有量を見直し、口に入れた瞬間にほどける質感へ。
レーズンは漬け込むのではなく、グラッセ(炊く)という製法へ。
ふっくらとジューシーなひと粒に仕上げ、クリームと一体化する存在へ。

サブレは厚みと焼成方法、焼成温度を細かく調整し、支えながらも主張しすぎない食感へ。
それぞれを強くするのではなく、重なった時に最も美しく響き合う設計へと、少しずつ舵を切っていきました。
そしてもうひとつ。
視覚的な象徴として辿り着いたのが、現在の層を重ねたフォルムです。
贈り物として箱を開けた瞬間の高揚感。
整然と並ぶ姿の美しさ。
味わいだけでなく、記憶に残る佇まいまでを含めて、積奏のバターサンドは完成へと近づいていきました。
しかしこのビジュアルは、最初から狙ったものではありません。
素材と素材を重ね合わせていく中で、自然と辿り着いた“結果”でした。

なめらかであること。
軽やかであること。
そして、食べ終えた後に静かなしあわせが残ること。

私たちがこの一品に込めたのは、単なる焼き菓子としての完成度ではありません。
ひとくちの中に、やさしい余韻が漂う食感そのものです。
バターサンドは、積奏の原点であり、思想の核でもあります。
だからこそ、完成した今もなお、細かな改良は続いています。
季節や温度、素材の状態によって、ほんのわずかに表情を変えながら。

なめらかなしあわせは、ある日突然生まれたものではなく、試作と対話を重ねた時間の中から、静かに育ってきたもの。
これからも、その余韻を更新し続けながら、積奏のバターサンドは進化を重ねていきます。

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